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トラペ座『灯地下』(ONM-004)
¥3,300
・定価: 3,300円 (本体価格: 3,000円+税) ・商品番号: ONM-004 ・2020年12月15日 発売 —こっちへおいで さあ 宴を尽くそう 東ヨーロッパ~コーカサスの狂騒と悲哀を練り合わせて、短編の無声映画をつなぎ合わせたかのようなテーブルミュージック。 ‘17年発表の1st「TRAPEZA」から3年半ぶりとなるトラペ座の2ndアルバムは、1時間30分強、2枚組の大作となった。 この2020年という全世界がウィルスの驚異に大なり小なり揺れうごく渦中で制作され、現在のトラペ座のすべてを惜しげなく詰め込んだドキュメンタルな作品だ。 ‘19年から3人編成となった彼らは、多田葉子:クラリネット/ソプラノサックス、大野慎矢:アコーディオン/ガイダ(東欧のバグパイプ)、菅原雄大:チェロのデフォルト編成を軸として、 多田がバスクラリネットを、大野がブルガリア・ロドピ地方特有の低音のカバ・ガイダを導入するなど、編成においても新機軸を見せている。 収録曲は、リーダー大野慎矢の自作曲を中心に、多田・菅原も楽曲提供している他、ギリシャ/ブルガリア/ジョージア/アルメニアの民謡、舞踊曲から、 ギリシャの国民的作曲家マノス・ハジダキスの映画音楽や、アフガニスタンの英雄的歌手アフマッド・ザヒールの歌をインストでカバーしている。 東欧の民謡由来の5拍子を使って、情念深い日本語の歌詞で歌われる「野辺のうたげ」や、ギリシャ民謡を日本語で意訳して歌う「Tzivaeri わたしの宝もの」「肉屋の踊り」、 抒情的な「ひるのゆめのあわい」など、今回は歌ものの曲も印象深い。 録音は、トラペ座が定例企画を主催する渋谷・公園通りクラシックスにて行われ、 サウンドエンジニアはムーンライダーズ、こまっちゃクレズマなどのドラマーとしても知られる 夏秋文尚が、前作に引き続き担当している。 ゲストミュージシャンとして、ロケット・マツ(from パスカルズetc)、夏秋文尚もパーカッションで参加している。 ジャケットは、写真家の三浦麻旅子によるアートワーク。 宴=テーブルの音楽を標榜する彼らの新たな出発点となった今作「灯地下」は、情念と泥臭さとがますます極まり、味わい深い余韻を残す美しいアルバムとなった。 ■収録曲: Disc 1 1. Tamara Bar 2. ヴァルタンの踊り 3. 歓喜の市 4. Tzivaeri わたしの宝もの 5. 砂人 6. トーチカ 7. かぎろひ 8. 肉屋の踊り 9. Tamara Bar 10. おどけしのはな Disc 2 1. 野辺のうたげ 2. 破綻の調べ 3. ロドピの民謡 4. ラマリア 5. イリーニャ・イリーニャ 6. トロッコに乗って 7. ひるのゆめのあわい 8. 深い川のむこうで 9. Hama Yaranam ■演奏: 多田葉子:クラリネット、ソプラノサックス 大野慎矢:アコーディオン、ガイダ(東欧のバグパイプ) 菅原雄大:チェロ ロケット・マツ:ピアノ、マンドリン 夏秋文尚:パーカッション ■トラペ座 プロフイール 2013年、東京で結成。ギリシャ語・スラブ諸語で「テーブル、宴席」を意味する「トラペザ ТРАПЕЗА」と、日本語の「車座」を掛け合わせて命名。 東欧、バルカン半島、黒海沿岸、コーカサス地方の民謡・舞踊曲や、歌謡曲、映画音楽、そしてそれらをオマージュした創作曲をレパートリーとしている。 メンバーは、こまっちゃクレズマ/うたものシスターズ/プチだおんを始め多くのバンドで八面六臂の活躍を繰り広げるサックス/クラリネット奏者・多田葉子、アコーディオン奏者でもあり日本では稀少なブルガリア/ギリシャのバグパイプ「ガイダ」のスペシャリストでもある大野慎矢、 biobiopatata/theBIGWAY等のグループや、舞台の劇伴、歌もののサポートなど縦横無尽のチェロ奏者・菅原雄大、の3人編成。 その独自の楽器編成で、東欧由来の複合拍子を用いた舞踊曲による狂騒・祝祭感、日本語で歌われるオリジナル民謡や、まるでロシアや東欧の古い映画でも見ているような情緒ある音世界で、ユメとウツツのあわい、喜怒哀楽の遍路へといざなう。 東京を中心にレストランやライブハウスなど場所を問わずライブ活動を展開している。2020年6月から渋谷・公園通りクラシックスにて自主企画「灯地下 точка」を定例主催。 2017年、1stアルバム「TRAPEZA」(録音エンジニア/夏秋文尚 )をリリース。 2020年末、2枚組の2ndアルバム「灯地下」(録音エンジニア/夏秋文尚 )をリリース。
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高田拓実『父のハガキ』 (ONM-003)
¥2,750
元THE COKESの高田拓実、フォークに大きく舵を切ったソロ・デビュー・アルバムをリリース! 「生きるために働くという事は気が狂ってるかもしれない」 そう歌い続けること7年、熱情と詩情を常に昂らせ燃やし続けてきた高田拓実の1stアルバムが遂に完成。 弾き語り活動を通じて様々な場所で出会った多くのミュージシャンが参加しているこのアルバムは、いわゆるフォークに形容されるアコースティックな作品では無く、パンク、フリージャズ、クラシックなどの多様なジャンルが凝縮されたバンド・サウンドに仕上がっている。 今回録音の制作を担当したのは、パスカルズのメンバーが在籍しているインスト・バンド、ママクリオのメンバーであり、トラペ座、山村暮鳥のうたで活動中の大野慎矢。 ジャケット装丁は気鋭のイラストレーター水沢そらが担当。 アルバムのタイトルにもなっている「父のハガキ」は、2014年に他界した父から送られてきたハガキの数々の文句を連ねたものに曲を付けたもの。 凶暴かつ美しく優しい、いくつになっても人の心の中から消えない少年の純粋な煌めきと熱き魂が宿った全10曲。 1.第31回卒業生 2.不良 3.ミドルエイジ 4.零れ落ちてくる愉悦 5.父のハガキ 6.海 7.土砂降りの桜 8.青春は糞です 9.百日紅の花 10.いのちの唄 演奏者クレジット Vo,Ag/高田拓実 Eg/坂口貴満(マンホール) Eg/Keiji Ronson(Young Parisian) T.Sax,S.Sax/山崎心(ジタンのけむり) Dr/安藤翼(HATEMAN) Vc/菅原雄大(biobiopatata) Cb/宮坂洋生(シャカリーマン) Vn/関島種彦(チガジタンダ) Vn/市岡あやな(TMU管弦楽団) Pf,Acc/大野慎矢(トラペ座) 【プロフィール】 2000年~2014年まで、東京の70'sPUNK、POWER POPシーンでTHE COKESのVo.gとして活動。 2011年からバンドと並行してソロ弾き語りを始める。2014年バンド解散後、本格的にソロ弾き語り活動のみで主に都内のライブハウス、ライブバーで歌う。 ソロ転向後はいわゆる音楽的なパンク・ロックでは無く、日々の労働から生まれる苦渋や憤り、憂いを直情的にアコースティック・ギターでかきむしり歌うハード・フォーク・サウンドに劇的に変化した。 そのスタイルは初期の三上寛、友川カズキを彷彿させる これまでに2枚のデモ音源発表。下北沢ぷあかうで自主企画「乱調会」主宰。 これまでの共演者は谷口順ことFucker、 真黒毛ぼっくす、The Wisely Brothers、町田直隆、尾島隆英、佐古勇気(snap)、sujikosumoguri 他
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山村暮鳥のうた (ONM-002)
¥2,200
活動14年にして初めてのCDがついに完成。 ゲスト多数参加。 自主制作盤。 2019年2月15日発売 定価 2000円+税 <参加> 植村昌之:ウクレレ 菅原雄大:チェロ 宮坂洋生:コントラバス ロケットマツ:アコーディオン、ピアニカ、マンドリン 松井亜由美:ヴァイオリン 川松桐子:トロンボーン 野津山智一:クラリネット <意匠> 小倉紘(GRAFFIC FACTOR) - 「山村暮鳥のうた」は、新しき開拓である。 美しさとはなんだろうか。美しさに誠実であることとは、どういうことだろうか。 このうたは日々の中でいつも見失ってしまう生活の美しさを、開拓するための鍬である。 このうたを流行歌のあいだに置いてみるがいい。その異質さこそがこのうたの魅力なのだ。 山村暮鳥という100年前の詩人の言葉は重い。忘れ去った始まりを思い出せと迫ってくる。 このうたはその詩との幸運な出会いだ。100年をまたいだ純粋な恋愛だと言ってもいい。 ――首藤 幹夫 / 写真家 - 大野慎矢さんへ 歌声がとても好きです。 素朴で、不器用で、優しく、芯のある歌。 もっと、どんどん歌ってほしいです。 山村暮鳥さんへ とても辛い事があり、都会の雑踏で途方にくれていた日や、 よく知らない田舎町で、ぼんやり空を見上げていた時のこと。 思い出させてくれて、ありがとうございます。 ――松井 文 / 歌手 - 僕はフォークは良くしりませんが、大野君の歌は山村暮鳥が其処に居る様な感じで、詩の情景がそのまま浮かんでくる、見事な作品になってると思いました。 ホコリが被ってる記憶の引き出しの隅に、寂しさにその針を呑み、という言葉があった様な気がします。リリースおめでとう㊗️ ――金井 太郎 / 作曲家、ギタリスト from Pascals - 大野くんと暮鳥。 その縁はどこへ向かって何をつかむのかなぁと思う。 到達点はわからないが、心のまま感じるままに作品を仕上げる事が一番だろう。 そして完成した「山村暮鳥のうた」のアルバム。 丁寧に作られた音と歌は「詩」と向き合っている。しかし堅くはない。 それは暮鳥の詩の持つ童話チックなフレーズが柔らかく時間を紡いでいるからだと思う。そこがいい。 聴き終わった後に残る雲雀のさえずり。 ――青木 タカオ / フォークシンガー、地下生活者の夜・主宰 - 物心ついた時から土の中にいて、孤独であることだけを救いに、身体の節々まで寂しさでいっぱいになった男が、ようやく土まみれの顔を出して微笑みかけてくるような。その微笑みのぎこちなさ。そのぎこちないやさしさ。 素晴らしい演者たちに囲まれ、唯一無二の“音楽”となったこのアルバムは、恐らく誰しもが呼応出来るものではないと思う。それと同時にその尊さを理解できる人にとっては、生涯聞き続ける1枚となるだろう。 「どこか深いところで啼いてゐるこほろぎ じぶんを遠いとほいむかしの方へひつぱつてゆくその聲」 ――渡邉 知樹 / 絵本作家
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トラペ座『TRAPEZA』(ONM-001)
¥2,750
バルカン半島~ロシアの民謡・大衆歌や、彼の地の人々に敬意を表した創作曲まで。人生の喜怒哀楽を音の盃で飲み干す幻想楽団“トラペ座”のファースト・アルバム。 人生の喜怒哀楽を音の盃で飲み干す幻想楽団「トラペ座」の1stアルバムが完成! アコーディオン奏者でもあり、日本では稀少なブルガリア/マケドニアのバグパイプ「ガイダ」のスペシャリストでもある大野慎矢、 こまっちゃクレズマを始め多くのバンドで八面六臂の活躍を繰り広げるサックス/クラリネット奏者・多田葉子、東欧のロマやクレズマー音楽を中心に独自の演奏活動を続けるバイオリニスト・関島種彦、 biobiopatata等で流麗な演奏を聴かせるチェロ奏者・菅原雄大といった強力な4人が集結。 これまでありそうで無かった編成で、思わず踊りたくなるかの泥臭いダイナミズムから、ストリングスを生かした幽幻な演奏まで、湿っているようでカラッとしたサウンドが特徴です。バルカン半島~ロシアの民謡・大衆歌や、彼の地の人々に敬意を表した創作曲まで珠玉の全10曲を収録。静謐と狂騒の入り混じった一篇の映画のようなアルバムとなっています。 ■トラペ座: 大野慎矢(アコーディオン、ガイダ、歌) 多田葉子(クラリネット、ソプラノ・サックス) 関島種彦(バイオリン、マンドリン) 菅原雄大(チェロ) ■トラペ座プロフイール: バルカン~コーカサスの民俗音楽を敬愛する大野慎矢の呼びかけで2013年に結成。 グループ名は、古代ギリシャ語~スラブ語で「テーブル、宴の席」を指す〈TРАПЕЗА(トラペザ)〉と、日本語の車座を掛け合わせた造語で、料理、酒、会話、歌、踊り、そして喜怒哀楽の音楽が傍らにあればという願いを込めて命名される。激流の中で生まれた東欧の民俗音楽へのオマージュ音楽。 ■アルバムに寄せられたコメント トラペ座の音の楽しみ方をわたしは知っている。あれは春を迎える音だ。頬に氷が当てられているような冷たさの向こうに春を感じる気配が訪れる。いや、外の気配よりも体の内側に訪れる春の気配かもしれない。それはある種、官能的ですらある。極寒の地とまでは言えないが、少なくとも北国と呼ばれる地に育った私は、その感触を味わう術を知っている。トラペ座の音の喜び、楽しめることを、わたしは誇りに思う。 ──梅津和時 「TRAPEZA」を聴き進む、ラストのひとつ前の曲、「泥の海」がこのCDの全てを語っていると思った。「泥の海」を聴いてもう一度頭から聴きなおすと、世界はさらにくっきりと広がって見える。どの曲も泥の海を渡る舟の様に、愛おしく美しく輝いている。この素晴らしいCDは、これから一人でどんどん歩いていくだろう。清らかで迷いなき世界が多くの人に届きますように! ──ロケット・マツ(パスカルズ) ■Track list 1. Kazan 2. 納屋の踊り 3. はじめてのワルツ 4. Leshi 5. 結婚行進曲 6. Kivintakta Horo 7. KASAP HAVASI 8. チョチェック 9. 泥の海 10. 愛のセザリア